• 【smoking city 209/1095】「もし、あればな」啓人はすっくと立ち上がる。

  • 【smoking city 208/1095】「もしそんな街があるとしたら、なあ? おふざけ放題だな」

  • 【smoking city 207/1095】 街と言うより、村といったほうが合ってる気がした。

  • 【smoking city 206/1095】「武器は持たず、自給自足で暮らしているとか」

  • 【smoking city 205/1095】「はあ。いまどき、おとぎ話にしかいないぞ、そんな人たち」

  • 【smoking city 204/1095】「しかも、そこの住人ってのがみんな気立てがよくってさ、そこの地域をひらいた地主の影響って話だ」

  • 【smoking city 203/1095】 夢の国だって千葉に実在してるだろと、啓人は私の意見をきりすて、なお話す。

  • 【smoking city 202/1095】「そんなの、理想郷だろ?」私は苦笑いで言った。

  • 【smoking city 201/1095】「スモーキングシティっていうらしい。なんでも、酒はガバガバ、煙草はスパスパ、お金はジャラジャラっていう」

  • 【smoking city 200/1095】「なにそれ?」水奈子が首をかしげる。

  • 【smoking city 199/1095】「なあ、こいつをずっと吸い続けられる街があるって知ってるか?」

  • 【smoking city 198/1095】 私がつぶやくと、啓人がなにかを思い出したように、顔を上げた。

  • 【smoking city 197/1095】「このままおふざけで、やっていられたらいいんだけどなあ」

  • 【smoking city 196/1095】 近くでやっている草野球のスコアボード。九回裏にはバッテンが書かれていて、選手たちも帰り仕度をはじめている。

  • 【smoking city 195/1095】 草と石のまじったところに寝そべった。

  • 【smoking city 194/1095】「あーあ、ついに終わったな」

  • 【smoking city 193/1095】 最初に口をひらいたのは啓人だった。

  • 【smoking city 192/1095】 時刻は、日暮れと夕闇が役割を代えようとしているくらい。

  • 【smoking city 191/1095】 学校からの帰り道は、いつものパターンをあゆむ。カラオケ、ゲーセン、公園で一息、ペットショップ、ファミレスってなところだ。腹ごしらえをして、数分歩くと河川敷が見えてくる。その鉄橋の下で、河をみながら吸おうということになった。

  • 【smoking city 190/1095】 なんだか、無性にそう思えた。