• 【smoking city 772/1095】 足が急に重くなる。「ニャー」という声が耳元できこえた。

  • 【smoking city 771/1095】「……」

  • 【smoking city 770/1095】「まあ、そう言えなくもない」

  • 【smoking city 769/1095】「えー、それじゃあ、特にアテもなく、走ってるってこと?」

  • 【smoking city 768/1095】「いつまでも同じところに止まっていたら、それこそ危険だろ」

  • 【smoking city 767/1095】「じゃあ、どこに行けばいいんだよ!?」

  • 【smoking city 766/1095】 なんとなく、ジリ貧と言うのか、追い詰められつつある感覚が大きくなっていく。又次郎は何も言わずに、私の肩にぶらさがっていた。

  • 【smoking city 765/1095】「とっくに終電だろ」

  • 【smoking city 764/1095】「なんとか逃げる手段は……。まだ、電車あるかな」

  • 【smoking city 763/1095】「こっちだ」と、おじさんは非常階段をのぼっていった。

  • 【smoking city 762/1095】 私は暗闇のエレベーターを指さした。すると、その様子を監視カメラがキャッチ、ジリリンと警報がなりはじめる。

  • 【smoking city 761/1095】「あ、あっちにエレベーターあるよ」

  • 【smoking city 760/1095】 周囲の様子をみると、どうやらここは駅ビルだということがわかってくる。しかし、時間も既にド深夜ということもあり、無人の一階・エントランスホール。

  • 【smoking city 759/1095】 エアーバックに関しては、強力なものを各席に備えていたらしく、ビルの大黒柱にぶつかった途端、私たちは車外にほうりだされる。運転手は、ハンドルから手を離したくないのか、クルマと共に奥の巨大ぬいぐるみの腹部にめりこんでいった。

  • 【smoking city 758/1095】 私たちのタクシーは廻され、傍らのビルに激しく突っ込んでいった。

  • 【smoking city 757/1095】 驚くことにその予感は的中。

  • 【smoking city 756/1095】 一瞬、棒の先がうごき、目の前に光が走る。(まさか、あの棒一本で!?)

  • 【smoking city 755/1095】 おそらく、さっきの奴らと同様、私たちをしとめるべくして送られてきた者だろう。それはすぐにわかった―――目つきがとてもこわかったからだ。

  • 【smoking city 754/1095】 タバコの煙をくゆらせ、手に持った長い棒を横っ腹に、腰を深くすえる。同時にからだをねじり、バネは最大力でたまっているようだ。

  • 【smoking city 753/1095】 割れたフロントガラスの向こうに、一人の男がたっているのが見えた。髪を結わいて、背が高い。どこかのプロレスラーかと思えた。