【smoking city 84/1095】 生田 水奈子(いくた みなこ)はそう言って、私のそばに

【smoking city 84/1095】 生田 水奈子(いくた みなこ)はそう言って、私のそばにちかづく。時間がなかったのか、彼女は長髪を結いながら寄ってきた。

  • 9h

    【smoking city 238/1095】 あと数時間後には、東京湾の深くに沈んでいることだろう。誰にも知られず、見つかるまでの何年を、骨を溶かしながら待つのだろう。

  • 9h

    【smoking city 237/1095】 それをして尚、私は小さなうめき声をあげるしかできない。なんとも、情けないはなしだ。

  • 10h

    【smoking city 236/1095】 隣の男は、ピクリとも動かない。もう死んでしまったのだろう。私は自分の先行きを、この男に重ねざるを得なかった。

  • 10h

    【smoking city 235/1095】 私の横には、冴えない男が横たわっており、護身用のナイフは遠くのほうに落ちていた。

  • 11h

    【smoking city 234/1095】 思い切り腹部を蹴り飛ばされた。

  • 11h

    【smoking city 233/1095】「オラァこたえてみさらせ、ボケェ!」

  • 12h

    【smoking city 232/1095】 ―――ところまでは覚えている。

  • 12h

    【smoking city 231/1095】 こういうときこそ―――私はカバンに忍ばせておいた護身用ナイフを取り出した。

  • 13h

    【smoking city 230/1095】 その場では、目つきだけはキレのある複数の男が、一人の冴えない男をよってたかってボコボコにしている。その内のひとりが私に気づき、チンピラ風の歩みで寄ってくる。私は有無を言わずそいつを突き飛ばした。

  • 13h

    【smoking city 229/1095】 大人になったからだろうか、社会的悪をほろさなければと、正義が目覚めたのか、それともただの有頂天か。